ペウラ生地店

2023/07/09 20:20

先日ペウラガーゼスカーフをリリース致しました。

ペウラ生地店にとって記念すべき、初めての完成品の販売となります。
ペウラガーゼは落ち着いた雰囲気のガーゼを目指し作った生地です。
80/-という通常ガーゼで使うよりかなり細い糸を使い、しなやかで光沢感のあるものに仕上げました。
機屋さんその前工程の方々にも協力して頂き、表面(色のついている方)に出来るだけ接結点を出さないようテンション管理をして頂きました。接結点が出るとどうしても大人びた雰囲気が出せなくなるからです。ただ織るのは非常に苦労します。どうしてもドロッパーが落ちやすいからです。産地の方々にご協力いただき最適なテンションで織って頂く事が可能となりました。
またペウラガーゼで使用している80/-は撚り回数を少なくしたものを使用しているので、通常の80/-よりも柔らかいものとなっております。
綿としての吸水性は兼ね備え、今までにない落ち着いた雰囲気の商品が出来たなと自負しておりました。が有るとき何人かの方から「この生地は縫いにくい」というご指摘を頂きました。
お話を伺ったところ、「柔らかすぎる」「二重になっている」「二重にしては薄すぎる」この3点が主な原因の様でした。自分としては良かれと思ったことが仇となっていたようです。
せっかく販売しても縫いにくいのではいけないと思ったのですが、この生地の良さは誰よりも理解しているつもりだったので、何か生かせるところはないかとこの一年色々模索しておりました。
何度も話し合いをして、この光沢感、肌触りの良さ、吸水性を生かせるのはスカーフが良いのではないかとなり、自分たちで縫製して頂けるところを探そうとなりました。
薄地縫製の得意な5-6社の会社様に連絡を取ったのですが、サンプル段階で難しいというお返事を頂く事がほとんどでした。「本当に縫いにくいんだ」と改めて実感しました。

上の写真はその時縫って下さった会社様が「三巻」という縫い方で縫って下さったものです。糸が出てきてしまい(白くピロっと出ている部分)納得がいかなかったようです(さすがプロです)。

最後につてをたどってお願いした会社様が「千鳥巻き」という縫い方で縫って下さいました。こちらの会社様はスカーフを沢山扱われているとの事で、それでも二重組織には苦労されたようです。上の写真はペウラガーゼスカーフの縫製部分の拡大です。とても丁寧に縫って下さり、納得のいく作品となりました。
今回縫製の奥深さを改めて知りました。織るだけでなく縫製の方々がいて初めて届く商品が有ることも実感いたしました。織だけでなく縫製も自信をもってお届け出来るペウラガーゼスカーフ。身に着けて頂けたら幸いです。