ペウラ生地店

2025/09/26 16:53

今度ペウラ生地店にて販売致します「カラミ織」のご紹介です。

「カラミ織」とは通常まっすぐなタテ糸が隣り合ったタテ糸もしくは数本先の少し離れたタテ糸と交差してヨコ糸と組織し、また戻るを繰り返す織物です。
余り的確な説明が出来ていませんが、上の写真のひし形に見える部分がカラミ織ということになります。
こちらの商品は、その昔弊社が販売した商品の一部が残ってしまい、20年以上倉庫で眠っていたものを出してきて加工した、いわゆるデッドストックと言われる商品です。
こちらはタテヨコのグランドは40/-で太い部分のカラミ糸は16/2となっております。
部分絡み(タテ糸全体の内一部がカラミ織の物)の場合殆どがカラミ糸を太い双糸にします。それはカラミ糸は織るとき左右にかなり動くので切れやすいのと、カラミ糸を太くすることにより「柄」としての存在感を際立たせることが出来るからです。
元々は絹織物で使われていた技法の様ですが、綿織物にも波及し、浜松の村櫛という地区が綿織物カラミ織の一大産地です。
私も昔お仕事させて頂き、当時中近東向け輸出の生地として織って頂きました。
中近東は暑いのでカラミの様な風通しの良い透け感の有る織物が好まれます。
また最初の写真を見て頂くと今では貴重なシャトル織機の耳をしているのがお分かり頂けると思います。
これは一つには、中近東で日本の生地の多くは(中近東における日本の生地はとても品質の良い物として扱われています)いわゆる仕立て屋さんに生地を置いて、そこに個人のお客様が服を仕立に来るというシステムになっています。その為見栄えの良いシャトル耳が多い(シャトル以外はほとんどが房耳)ということがあります。
またカラミ織はそもそも織るのにスピードが出ない(通常の綜絖枠とは違う為)ので、昔のままのシャトル織機で織っているというのもあります。
レースとは違うカラミ独特の素朴な透け感、立体感を楽しんで頂けたら嬉しいです。