2025/11/05 17:12
今日は機場の綺麗さと品質の相関関係についてのお話です

上の写真は私の大好きな機屋さんの写真です。
お世辞にも綺麗とは言えません。
織機ルームの梁の上、綜絖枠の上、下の写真にいきますとアキュムレーターの上に至るまで埃が雪の様に積もっています!

ここまで来ると品質にも影響しそうですが、こちらの機屋さんは私がお付き合いしている中でもトップクラスの腕を持っています。
今お願いしているのはサシコという織物で、これはテンション管理がものすごく難しい織物です。その匙加減が絶妙に上手いのです。

こちらの機屋さんの織機は低速で振動が少なく、エアージャットの様に空気圧でヨコ糸を飛ばすわけでは無いので、風綿飛び込みの心配が少ない(その辺りの手を抜く部分を確信犯的にやっている節がある)のです。
機屋さんのプライドの為にもお話ししておきますが、そもそも綿の様な短繊維を扱う機屋さんは掃除がとても大変です。ちょっと掃除をしないだけでもすぐに埃が溜まってしまいます。
もちろんものすごく掃除の行き届いている機屋さんも有りますが、長年の経験から機場の綺麗さと品質の良さは相関関係が無い様に思われます。要はその織物のツボを押さえているかどうかではないかと・・・
そうはいっても最近のエアージャット織機を扱う所では風綿がどうしても入ってしまうので、この理屈は当てはまらないかもしれません。
コンプライアンスが叫ばれて久しく普通の会社であれば真っ先に改善されるであろう部分を、個人事業主の自由さでもって品質のみにこだわる姿勢は、古き良き時代の最後の残像かもしれません。
